
朝は大抵、近所の柳月堂へ買いにいって、焼きたてのパンを食べます。
今日は葡萄パンとカレーパンの二つ。
朝から揚げパンはどうかと思われるかもしれませんが、この店の揚げパンはあっさりしていて朝からでもいけるヤツなのです。
焼きたてのパンは、ほんとに美味しい。
美味しいものを食べたことで、うきうきしたので、まだ朝で、これから仕事だけれども、少しだけ「お酒を飲んでみよう」と思いました。
もちろん多量に飲むわけにいかず、少し景気付け程度、ということで、3センチくらい、コップに注いだ芋焼酎を飲みました。
すぐに身体が暖かくなりました。
じつにいい感じです。
会社に向かうべく、家を出ました。
家から会社までは、糺の森(下鴨神社の参道)の中を歩いて、15分足らずです。
糺の森に入ると、いつものこの時間より、人がたくさん居ます。
時代劇ドラマの撮影をやっているようで、
森には露店のセットやいろんな古道具が置かれています。
その中に「NHK」とマジックで書かれた台車と、「浪花の華」と書かれたファイルがありました。
「NHK」の来春からの時代ドラマ「浪花の華」の撮影のようです。
ほどなくシーンの撮影が始まりました。
河合神社前にある小さなお堂の蔭で、金持ち商屋風のじいさんに、貧乏で気の弱そうな商人風の若い男が賄賂の相談をするがつっぱねられる、みたいなシーンの撮影でした。
その二人は僕の知らない役者さんです。
すぐにカットがかり、時間も無いので、もう見学をやめて会社に行こうとしたとき、すぐ近くに椅子に座ってスタンバイしている着物の女性に気付きました。
良く見たら、その人は栗山千明さんでした。
僕も知っている人です。
「キルビルの!」とちょっと興奮しましたが、ほかの、撮影を見学している人たちは、朝の散歩中だっただいぶ年配の人ばかりで、彼女のことは全然気付かない風でした。
会社に付いて仕事をはじめたら、少ししか飲んでないはずの酒が急にまわりはじめ、顔が赤くなってきました。
マズい事態です。
しばらくバレないように顔をパソコンに押しつけるようにして仕事をしていましたが、1時間くらいして会社の女の人が「…何か酒臭い!」と騒ぎ出し、
匂いの元が僕だとバレました。
しかし、
「昨夜の酒がまだ残ってるんやな、俺肝臓悪いんかな〜」
と、咄嗟に言うことで、「酒を飲んだこと」はバレたものの、
「朝に」酒を飲んだ、という最低行為が明るみになることは、辛うじて回避できました。
ただ、今日はもうすぐ会社に来客があるということで、酒臭い僕は一旦家に帰り、酒が抜けるまでスタンバイすることにしました。
家に戻るべく、再び糺の森の、撮影現場の前を通りました。
撮影はまだ続いており、栗山さんも依然、スタンバイ中でした。
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